円心空手とは
円心空手は、突き・蹴りだけでなく、相手の死角に入る体さばき、掴み、崩し、投げ、打撃を組み合わせる「サバキ」を特徴とする実戦的な空手です。相手と正面から力でぶつかるのではなく、相手が攻撃しにくい位置へ移動し、崩して制することを重視します。
一般的な空手の戦術
人間の急所は、正中線と身体の真横に多く存在します。例えば、正中線上には人中、顎、喉、鳩尾、金的などがあり、真横にはこめかみ、肝臓、腎臓などがあります。
伝統的な空手の型から考えると、元々の空手の戦術は、相手の制空権内に真っ直ぐ入り、相手の攻撃を内側から弾き、正中線上の急所を攻撃するというものでした。 相手の真正面に入って攻撃を打ち込むため、伝統的な型に存在する蹴りは、前蹴り・横蹴り・後ろ蹴りのように直線的な蹴りで構成されています。
現在では空手の代表的な技として知られる回し蹴りも、比較的新しい時代に空手へ取り込まれた技術です。 初期の回し蹴りは前蹴りを流用した形で、膝を横に抱え込み、軸足も曲げたまま中足で蹴るフォームでした。 三日月蹴りも、変則的な前蹴りの一種と考えることができます。
円心空手の戦術
徒手同士の闘いでは、空手もボクシングの影響を受け、一撃で倒すスタイルから、コンビネーションを使用するスタイルへと変化してきました。 一般的な空手の戦術は、対刃物や一撃で倒しに来る相手を想定した場合には有効な面があります。
しかし、コンビネーションで攻撃してくる相手に対して正面に立ち続けると、自分自身も正中線の急所をさらし続けることになり、攻撃を受けるリスクが高くなります。 また、刃物を想定した場合でも、防御を一度でも失敗すると致命的なダメージを負う可能性があります。
そこで円心空手では、相手の攻撃の外側、つまり死角にポジショニングすると同時に、相手を掴み、崩し、自分は攻撃できるが相手はこちらに攻撃できない体勢を作る技術を磨いてきました。
このような体勢になった相手に対して、投げながら打撃を入れる、打撃を入れて崩して投げるなど、崩し・投げ・打撃を連動させて相手を制圧する技術体系が、円心空手の「サバキ」です。
サバキとは、単なる投げ技ではありません。相手の攻撃線を外し、相手を崩し、自分が有利な位置から打撃や投げにつなげるための総合的な戦術です。
円心空手の実効性
どれほど優れた技術であっても、それが実際に使用できなければ意味がありません。 円心空手では、サバキを自由に攻撃してくる相手に対して使えるようにするための稽古体系を確立しています。
実際に空手の経験がある方の中にも、サバキが本当に自由に攻撃してくる相手に使えるのか疑問に思う方もいるかもしれません。 しかし円心空手では、掴み・投げを認めたサバキチャレンジという大会を長年主催し、同門・他流を問わず、試合の中で技術を磨いてきました。
2012年には、極真会館増田道場主催の掴み・投げを認めたフリースタイル空手の大会に、現役選手としては一線を退いていた水木重静選手が出場し、全試合をサバキの技によるポイント勝ちで優勝しました。 対戦相手はすべて他流派の選手であり、サバキチャレンジでは認められていない技も含め、自由に攻撃してくる相手に対して、円心空手の技術の実効性を示しました。
水木重静選手の試合動画
以下は、2012年のフリースタイル空手東京オープンにおける水木重静選手の試合動画です。 円心空手のサバキが、自由に攻撃してくる他流派の選手に対してどのように機能するかを確認できます。
水木重静選手 第一試合('12 FK東京オープン)
水木重静選手 準決勝('12 FK東京オープン)
水木重静選手 決勝('12 FK東京オープン)
円心空手が重視するもの
円心空手が目指すのは、単に相手を倒すことではありません。 相手の力を正面から受け止めるのではなく、位置取り、崩し、打撃、投げを通じて、相手を効率よく制することを重視します。
この技術は、相手に大きなダメージを与えることもできますが、同時に、必要以上に相手を傷つけずに制圧するためにも使えます。 そのため円心空手では、技術だけでなく、自制心、礼節、相手を過剰に傷つけない判断力も大切にしています。
志免・アクシオン道場では、子供から一般まで、円心空手の技術と考え方を分かりやすく指導しています。 初心者の方にも、基本動作から段階的に学べるよう、安全に配慮しながら稽古を行っています。
円心空手は、攻撃力だけでなく、相手を制する合理性と自制心を重視する空手です。護身、体力向上、精神面の成長、実戦的な身体操作を学びたい方に適した武道です。